「AGA治療薬に副作用はある?」
「男性機能や肝機能に影響があるって本当?」
せっかく薄毛が改善できても、副作用で体に不調が出るのは心配ですよね。
AGA治療を検討されている方の不安を解消するため、本ページではAGA治療薬の副作用に関するお話をしていきます。
副作用が出る確率や副作用が出た時の対処法について触れているので、副作用のリスクが気になる方はぜひ参考にしてくださいね。
AGA治療薬で起こりうる副作用には次のものがあります。
- 性欲減退
- 勃起不全
- 肝機能障害
- 倦怠感・食欲不振
- 頭皮のかゆみ・かぶれ
- 立ちくらみ・めまい
- 動悸・息切れ
- 多毛症
AGA治療薬にはいくつか種類があるので、ここからは薬の種類別に副作用を解説していきます。
プロペシア(フィナステリド)で起こりうる副作用
薄毛の進行を予防する効果のあるプロペシアを服用すると、
- 性欲減退
- 勃起不全
- 肝機能障害
などの副作用が出ることがあります。
これらの症状が出る確率は性欲減退1.1%、勃起機能不全0.7%、肝機能障害0.2%と極めて低い数字です。
中でも肝機能障害は、肝炎や肝硬変などの持病がある場合を除けば副作用が出る可能性は低いと考えられます。
参照:プロペシア添付文書
ザガーロ(デュタステリド)で起こりうる副作用
薄毛の予防や、毛を太く長く成長させる効果のあるザガーロには、
- 勃起不全
- 性欲減退
- 肝機能障害
- 倦怠感や食欲不振
ザガーロの臨床試験では勃起不全が全体の4.3%、性欲減退が3.9%、精液量減少が1.3%の人に見られたと報告されています。
子作りへの影響はほとんどないと言われていますが、不妊治療を希望する患者様にはザガーロの服用中止から最低1ヶ月あけるようお願いしています。(血中濃度をゼロにしてから臨みたい場合は3ヶ月)
ザガーロの添付文書には以下の注意書きがあるので、肝臓に持病がある方は医師と相談の上慎重に治療を進めていく必要があります。
「AST(GOT)、ALT(GPT)、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。」(引用:ザガーロ添付文書)
黄疸・発熱・吐き気・倦怠感・食欲不振などの症状が見られたら、すぐに服用を中止し担当医までご相談ください。
ミノキシジルで起こりうる副作用
頭皮の血行を改善し、髪の成長因子の産生を促すミノキシジルは、
- 立ちくらみやめまい
- 動悸や息切れ
- 多毛症
- かゆみやかぶれ
などの副作用が報告されています。
厚生労働省の調査によると、ミノキシジルを含む一般医薬品で副作用が生じる確率は8.82%だったという結果が報告されています。
ミノキシジルはもともと高血圧症を治療するために作られた薬なので、AGA治療薬として服用した場合も血圧が低下することがあります。
立ちくらみやめまい、動悸などの症状は軽症で済むことが多いですが、服用開始から1〜2ヶ月は体調の変化に注意が必要です。
また、頭皮以外の毛根にも一定の効果を示すミノキシジルは、服用を継続することで全身の体毛が濃くなることがあります。
多毛の症状は薬の量や種類を調整することで改善できる事もあるので、多毛症が気になる方はまずは担当医までご相談ください。
AGA治療薬では、さまざまな副作用が報告されていますが、実際に副作用を感じる患者様は全体の0.1〜0.2%と非常にまれです。
とはいえ、副作用という言葉が持つマイナスなイメージは、時にAGA治療を始めようとしている方の勇気を奪うことがあります。
安心してAGA治療に取り組んでいただくため、ここからはAGA治療の安全性の高さについてお話していきます。
副作用が絶対に起こらない薬は存在しない
AGA治療薬に限らず、副作用はどんな薬を服用しても起こりうる現象です。
副作用が出るかどうかは、薬の性質はもちろんですが、服用する方の体質や年齢によるところが大きいです。
例えば、腎臓や腎臓など、薬の分解に関わる臓器に疾患がある方は、そうでない方に比べて副作用が出やすいことがわかっています。
AGA治療薬の副作用の一つに肝機能障害がありますが、これは肝臓の持病がある方に多く見られる症状です。
また、薬を分解したり排出する力の弱い子供やお年寄りも、副作用を感じやすいというデータもあります。
副作用が出るかどうかは、実際に服用してみないとわからないことがほとんどですが、0.1〜0.2%という数字は副作用が起こる確率としては非常に低い数字です。
仮に何らかの副作用を感じても、薬の服用をストップすれば症状は改善されますので、安心してAGA治療に取り組んでいただければと思います。
市販の風邪薬にも副作用の可能性がある
風邪薬を飲んで眠気を感じたり、下痢や便秘になったことがあるという方は多いと思いますが、これらの症状は全て、風邪薬を服用したことによる副作用です。
薬局で手軽に購入できる大衆薬は、誰もが一度は使用したことがあるということもあり、副作用に対する警戒心はさほど強くないかもしれません。
ただ、副作用が起こる確率としては、市販の医薬品の方が高い可能性があります。
AGA治療薬の場合、体質や年齢によって副作用が出やすい方もいらっしゃいますが、確率としてはかなり低く、もし症状が出たとしても薬を調整すれば改善できます。
副作用について不安なことがあれば、担当医がわかりやすく説明しますので、いつでもお気軽にご相談ください。
副作用の不安によって感じる「プラセボ効果」
初めての薬を服用すると、「副作用が出るかもしれない」という不安から、薬の効果とは関係なく体調が変化することがあります。
この作用のことを「プラセボ効果」といい、AGA治療薬の臨床実験でもプラセボ効果が見られたというデータが報告されています。
以下の表は、ザガーロとプラセボ(偽薬)で副作用が出る確率を比較したものです。
この結果を見ると、ザガーロでで勃起不全になった人と、何の効果もない偽薬で勃起不全を感じた人の割合がほぼ同じであることがわかります。
男性機能に影響すると聞くと、不安な気持ちになるのは当然のことです。
ただ、気にしすぎがプラセボ効果の誘発につながることは否定できません。
AGA治療は、副作用の心配するよりも、薄毛を改善できるという喜びの気持ちを持って臨むことが大切です。
AGA治療薬で副作用を感じた時の3つの対処法
AGA治療をスタートしてから体調に変化が見られると、「これって薬の副作用?」と不安を感じてしまう方もいるでしょう。
ここからは、薬で副作用を感じた時にお願いしたい対処法について解説していきます。
対処法①医師に相談する
副作用かもしれないと思ったら、まずは担当医までご相談をお願いします。
そのまま服用を続けると、副作用が強く出てしまったり、体調を崩してしまうこともあるので注意が必要です。
対処法②減薬する
副作用が強く出ている方には、医師の判断で薬の処方量を減らす場合があります。
AGA治療は、薬を飲み続けることで効果を持続させられるので、減薬については慎重に行なう必要があります。
対処法③薬の種類を変更する
AGA治療薬にはいくつか種類があるので、別の薬に変更して様子を見るという対処法もあります。
副作用と聞くと不安な気持ちになりますが、安心して治療を続けていただくためにも、気になることはお気軽にご相談ください。
AGA治療薬が男性機能や妊娠に及ぼす影響
勃起不全や性欲減退は、男性としての心配はもちろんですが、今後お子さんを希望されているご夫婦にとっての心配事でもありますよね。
ここからは、AGA治療薬と妊娠(子作り)の関係について解説していきます。
胎児や母体への影響はほとんどない
AGA治療をしながら子作りをしても、胎児や母体に悪影響を及ぼすことはないと言われています。
これは、AGA治療薬が精液へ移行するかどうかの実験で証明されています。
”男性型脱毛症患者にフィナステリド1mgを1日1回6週間経口投与した時の精液中への移行量は極めて微量(投与量の0.00076%以下)であった13) (外国人データ)。”
引用:プロペシア添付文書
”海外臨床試験において、18〜52歳の健康成人(デュタステリド群:27例、プラセボ群:23例)を対象に、52週間の投与期間及び24週間の投与後追跡期間を通して、デュタステリド0.5mg/日の精液特性に対する影響を評価した。投与52週目における総精子数、精液量及び精子運動率の投与前値からの平均減少率(プラセボ群の投与前値からの変化で調整)は、それぞれ23、26及び18%であり、精子濃度及び精子形態への影響は認められなかった。”
引用:ザガーロ添付文書
動物実験の結果で、精液がメスの子宮や膣に吸収されても、胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性が低いことも証明されています。
以上のことから、AGA治療薬が子作りに悪影響を及ぼす可能性は極めて低いと判断されます。
ただし、可能性が低いというだけで、絶対にゼロと言い切ることができないのも事実です。当クリニックでは、今後子作りを考えている方に対し、服用中止から時間をあけていただくようお願いしています。
不妊治療を考えている場合は最低でも1ヶ月あけるのが望ましい
AGA治療が子作りや妊娠に悪影響を及ぼす可能性は極めて低いと言われていますが、可能性がゼロでない以上不安を感じる方もいるかと思います。
安心して子作りや不妊治療に取り組みたい方は、AGA治療と並行はせず、薬の服用を中断してから臨むのがいいでしょう。
当クリニックでは、不妊治療を検討されている方には、薬をやめてから最低1ヶ月は間をあけるようお願いしています。
また、薬の半減期が長いザガーロを服用されている場合、血中濃度をゼロにするのに3ヶ月時間をあける必要があることもお伝えしています。
妊娠は女性が感じる不安も大きいですから、パートナーとよく話し合って決めることをおすすめします。
AGA治療薬を取り扱う際の4つの注意点
AGA治療を取り扱うにあたり、副作用以外にも注意したいポイントが4つあります。
注意点①未成年や女性の服用厳禁
プロペシアとザガーロは、男性型の脱毛症を予防するための薬なので、女性が服用しても薄毛改善のメリットはありません。
それどころか、胎児の発育に悪影響を及ぼす恐れがありますので、妊娠中の女性が服用することは絶対におやめください。
薬の成分は肌に触れることで経皮吸収されるので、女性がプロペシアやザガーロに触れることもNGです。
また、男性ホルモンの働きを阻害するという性質上、未成年が摂取することは禁止されています。
注意点②カプセルの場合はカプセルを割らない
薬がカプセル加工されているのは、成分が徐々に溶け出すことで効果を持続させたり、薬の成分が喉や胃に負担をかけるのを避ける目的があります。
カプセルを割って飲むと、喉や胃に刺激を与えたり、思うような効果を発揮できないことがありますので、処方された状態のまま服用するようにお願いします。
注意点③薬の服用中は献血厳禁
AGA治療薬を服用している間は、献血することが禁止されています。
これは、妊娠中の女性に薬の成分が含まれる血液が輸血させるのを防ぐためです。
薬を飲んでいる間はもちろんですが、服用をストップしてから薬が完全に体から抜けきる1ヶ月間は献血を避けてください。
注意点④過度な飲酒後に服用しない
AGA治療中の飲酒について特別な制限はありませんが、過度な飲酒をした後に薬を服用することは控えるようお願いします。
これは、AGA治療薬で起こりうる副作用の一つに肝機能障害があるためで、薬とアルコールを分解することで肝臓に負担をかけることは避けたいという理由があります。
また、アルコールが薬の効果に直接的な影響を及ぼすことはありませんが、アルコールを過剰に摂取することで頭皮環境が悪化する可能性は否定できません。
健やかな頭皮を維持するという意味でも、アルコールを摂取する習慣のある方は節度ある適度な飲酒を心がけましょう。
まとめ
AGA治療薬にはいくつかの副作用が報告されていますが、確率としては0.1〜0.2%と極めて低いので、あまり警戒する必要はありません。
クリニックの処方薬は安全性が保証されていますので、安心して治療に取り組んでいただければと思います。
もし副作用や体調の変化を感じた時は、すみやかに担当医までご相談ください。
症状を確認した上で、一人ひとりの患者様に合わせた最善の治療法をご提案させていただきます。